空と雲と太陽を見詰めて 地上にいるボクらに気付かなかった
高い高い塔は脆すぎて 小さなノックでも大きく揺れる
けれど扉は閉ざしたまま
騎士の掲げた剣はやっぱり空に伸びていて ボクは気付きもしなかった
剣が反射する光をただの鏡と見間違えた
空を飛ぶ事を望んで空を見詰めている君と
地上を歩いて今も進んでいるボクらの見る世界は違いすぎて
手紙を届ける小鳥は塔の途中で射殺された
お姫様
君は何を望んでいたの?
お姫様
ボクは騎士の賭に負けてしまったようです。
戦う術が剣だけだと盲信している君に
ボクの歌は届かないようで
それが哀しくて泣くボクの涙にも
君の居る窓は高すぎて気付いて貰えないのだろう
騎士と姫しかいない遊戯盤の上で
吟遊詩人と戦士達は生きられない
それでも
同じ空の下で生きている以上
いつか気付いて貰えると
微かな希望を抱いても良いだろうか
戦士達は先に歩き出した
ボクは少しだけ立ち止まる事にするよ
お姫様